関 連 法 規

 

関連法規・制度等

関連法規・制度等
 
 ・建築物は、国家、社会、集団の資産を形成する基本的生活基盤としての性格を有しており、その災害等に対する安全性を
  確保し、質の向上を図っていくことは、国民の生命、健康及び財産の保護並びに公共の福祉の増進の観点から極めて重要
  です。
 ・一般建物・住宅の新築・リフォームに関連する法規・制度として、下記に挙げる法規・制度等があります。
 
■建 築 関 係 法 令 
 
 1. 建築基準法
  目的:「建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、
    もって公共の福祉の増進に資すること」を目的として制定された法律です。
     建築基準法に基づき、建築基準法施行令、建築基準法施工規則、建築基準法関係告示等が定められており、これら
    を順守して新築・リフォーム工事を進める必要があります。
   ●建築物に関する基準等を「単体規定」と「集団規定」に大きく分けて規定していす。
    *単体規定:構造規定、防火避難規定、一般構造規定
    *集団規定:用途規則、形態規則
   ●建築確認が必要となる増改築等の例
    *準防火・防火地域に立地する建築物の増改築を行う場合
    *準防火・防火地域以外に立地する建築物で、10㎡を超える増改築を行う場合
    *主要構造部の過半に係る大規模な修繕、大規模な模様替を行う場合
   ●新築・増改築を行う際には、建築基準法の規定を順守するとともに、建築基準法で定める基準以上の住宅の質の向上
    に心掛ける姿勢が重要です。
  
 2. 消防法
  目的:「火災を予防し、警戒し及び鎮圧し、国民の生命、身体及び財産を火災か ら保護するとともに、火災又は地震等
    の災害に因る被害を軽減し、もって安寧秩序を保持し、社会公共の福祉の増進に資すること」を目的として制定され
    た法律です。
   ●建物の安全を確保するための法規として、消防用設備規制や防炎規制などを規定しています。
   ●新築・リフォームを行う際には、消防法への適合性も忘れずチェックする必要があります。
   ●新築やリフォームを行う住宅への住宅用火災警報器等の設置・維持が義務つけられています。
 
 3. 建設業法
  目的:「建設業を営む者の資質の向上、建設工事の請負契約の適正化等を図ることによって、建設工事の適正な施工を確
    保し、発注者を保護するとともに、建設業の健全な発達を促進し、もって公共の福祉の増進に寄与すること」を目的
    に制定された法律です。
   ●建設工事業は、下記の28業種となっています。         
     *土木工事業  *建築工事業   *大工工事業     *左官工事業   *とび・土木工事業 *石工事 
     *屋根工事業  *電気工事業   *管工事業      *タイル・れんが・ブロック工事業   *鋼構造物工事業
     *鉄筋工事業  *舗装工事業   *しゅんせつ工事業  *板金工事業   *ガラス工事業   *塗装工事業
     *防水工事業  *内装仕上工事業 *機械器具設置工事業 *熱絶縁工事業  *電気通信工事業  *造園工事業 
     *さく井工事業 *建具工事業   *水道施設工事業   *消防施設工事業 *清掃施設工事業
   ●軽微な工事のみを請け負って営業する場合を除いて、元請・下請を問わず建設業許可が必要です。
    ※軽微な工事:工事一件の請負代金の額(消費税を含む)が
      ◆建築一式工事の場合:1.500万円に満たない工事又は延べ面積が150㎡に満たない木造住宅工事
      ◆その他の建設工事の場合:500万円に満たない工事 
   ●発注者から直接請け負った1件の工事代金について、3.000万円((建築一式工事の場合は4.500万円)以上となる下
    請け契約を締結して工事を施工する場合は、「特定建設業」の許可を得る必要があります。       
   ●請負契約の原則を規定するとともに、請負契約書に記載しなければならない事項を規定しています。
   (14項目(建設リサイクル法対象工事は4項目追加))
 
 4. 建築士法
  目的:「建築物の設計、工事管理等を行う技術者の資格を定めて、その業務の適正をはかり、もって建築物の質の向上に
    寄与させること」を目的に制定された法律です。
   ●建築士には、「一級建築士」と「二級建築士」、「木造建築士」があり、免許の種類に応じて設計、工事管理できる
    範囲が規定されています。
   ●「設計」を「その者の責任において設計図書(建築物の建築工事の実施のために必要な図面及び仕様書)を作成する
    こと」、「工事管理」を「その者の責任において、工事を設計図書と照合し、それが設計図書のとおりに実施されて
    いるかいないかを確認すること」と定義しています。
   ●建築士としての自覚を持ち、常に建築物の質の向上と自分の能力の向上に努めることが重要です。
 
 5. 耐震改修促進法
  目的:正式名称を「建築物の耐震改修の促進に関する法律」といい、阪神・淡路 大震災の教訓を踏まえ建築物の耐震改修
    の促進のための措置を講じることにり、建築物の地震に対する安全性の向上を図り、公共の福祉の確保に資すること
    を目的として、1995年(平成7年)に制定された法律です。
   ●新耐震基準を満たさない既存の建物(主に昭和56年より前に建築された建物)の 所有者に、建築物が現行の耐震基準
    と同等以上の耐震性能を確保するよう耐震診断や改修の努力義務を規定しています。
 
■住 宅 に 関 連 す る そ の 他 法 令
 
 1. 住生活基本法
  目的:「住生活の安定の確保及び向上の促進に関する施策について、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体並び
    に住宅関連事業者の責務を明らかにするとともに、基本理念の実現を図るための基本的施策、住生活基本計画、その
    他の基本となる事項を定めることにより、住生活の安定確保及び向上の促進に関する施策を総合的かつ計画的に推進
    し、もって国民生活の安定向上と社会福祉の増進を図るとともに、国民経済の健全な発展に寄与すること」を目的と
    して制定された法律です。
   ●我が国の住宅に関する計画体系は、フロー重視からストック重視へ移行しています。
   ●良質なストック形成に向けて、住宅の増改築がより重要となりました。
 
 2. 住宅品質確保法
  目的:正式名称を「住宅の品質確保の促進に関する法律」といい、「住宅の性能に関する表示基準及びこれに基づく評価
    の制度を設け、住宅に係る紛争の処理体制を整備するとともに、新築住宅の請負契約又は売買契約における瑕疵担保
    責任について特別の定めをすることにより、住宅の品質確保の促進、住宅購入者等の利益の保護及び住宅に係る紛争
    の迅速かつ適正な解決を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与すること」を目的として
    1999年(平成11年)6月に制定された法律です。
   ●住宅品質確保法の3本柱は「住宅性能表示制度」と「指定住宅紛争処理機関の整備」新築住宅の基本構造部分の「瑕
    疵担保責任期間の10年間義務化」となっています。
   ●平成12年に新築住宅を対象とした住宅性能表示制度がスタートし、平成14年には対象を既存住宅まで拡大されまし
    た。
   ●増改築工事に合わせて住宅性能表示制度を活用することは、住宅の現況を知る、工事内容の質をユーザーに知っても
    らうために有効です。
 
 3. 住宅瑕疵担保履行法
  目的:正式名称を「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」といい、「住宅品質確保法の規定により建設業
    者及び宅地建物取引業者が負う新築住宅に係る瑕疵担保責任の履行の確保等を図るため、建設業者による住宅建設瑕
    疵担保補償金の供託、宅地建物取引業者による住宅販売瑕疵担保補償金の供託、住宅に係る瑕疵担保責任の履行によ
    って生ずる損害をてん補する一定の保険の引受けを行う住宅瑕疵担保責任保険法人の指定等について」、2007年
   (平成19年)5月に制定された法律です。
   ●資力確保措置の義務付け対象は、下記の通りです。(供託または保険による)
    *注文住宅=請負人(建設業者)①発注者(宅建業者を除く)
    *分譲住宅=請負人(建設業者)①売主(宅建業者)②発注者(宅建業者を除く)
    *賃貸住宅=請負人(建設業者)①発注者(宅建業者を除く)→賃借人
     注記:①は、請負人の瑕疵担保責任(第94条) 
        ②は、売主の瑕疵担保責任(第95条)
   ●対象となる瑕疵担保責任の範囲:住宅品質確保法で10年の瑕疵担保責任が義務付けられている範囲
    *構造耐力上主要な部分と雨水の侵入を防止する部分となっています。
   ●保険の引受主体の整備
   ●紛争処理体制の整備
 
 4. 長期優良住宅法
  目的:正式名称を「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」といい、「長期にわたり良好な状態で使用するための措置
    が講じられた優良な住宅である「長期優良住宅」について、その建築及び維持保全に関する計画を認定する制度の創
    設を柱とする 長期優良住宅法が、2008年(平成20年)11月に制定されています。
   ●長期優良住宅にかかる住宅ローン減税(所得税)や固定資産税等の税負担を一般の住宅に比べて軽減されます。
   ●長期優良住宅の認定基準があります。
    *一定以上の住宅の性能(耐久性、維持保全の容易性等)
    *維持保全に関する計画の作成等
 
 5. 省エネ法
  目的:正式名称を「エネルギーの使用の合理化に関する法律」といい、「内外におけるエネルギーをめぐる経済的社会的
    環境に応じた燃料資源の有効な利用の確保に資するため、工場、輸送、建築物及び機械器具についてのエネルギーの
    使用の合理化に関する所要の措置その他エネルギーの使用の合理化を総合的に進めるために必要な措置等を講ずるこ
    ととし、もって国民経済の健全な発展に寄与すること」とされています。
   ●地球的課題となっている温暖化防止に向けた省エネ対策を規定しています。
   ●住宅分野の省エネ基準は「建築主等及び特定建築物の所有者の判断の基準」と設計、施工及び維持保全の指針」の2
    つからなります。
   ●住宅の部位ごとに用いる材料の省エネ性能は「設計、施工及び維持保全の指針」に規定されています。
 
 6. 建設リサイクル法
  目的:正式名称を「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」といい、「最終処分場の容量不足や廃棄物の不適正
    処理等の問題に対応するため、全産業廃棄物の2割を占める建設廃棄物の再資源化・最利用の促進を目的として、20
    00年(平成12年)5月に制定された法律です。
   ●リフォーム工事に関してもその規模等により、分別解体・再資源化等の義務付け等の対象となるため、注意が必要で
    す。
   ●法の対象とならない場合でも、リサイクルに対する事業者としての社会的役割を担う姿勢が大切です。
   ●対象となる特定建設資材
    *コンクリート *コンクリート及び鉄から成る建設資材(PC等) *木材  *アスファルト・コンクリート
 
 7. 廃棄物処理法(廃棄法)
  目的:正式名称を「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」といい、「廃棄物の処理が適正に行われるよう、産業廃棄物等
    を定義した上で、事業者の責務や収集運搬業者及び処分業者の許可等について」1970年(昭和45年)に制定された
    法律です。
   ●廃棄物の定義や処理責任の所在、処理方法・処理施設・処理業の基準などを規定しています。
    →廃棄物を産業廃棄物と一般廃棄物に分類
    →排出事業者に対する廃棄物の処理責任を規定
 
 8. 家電リサイクル法
  目的:正式名称を「特定家庭用機器再商品化法」といい、「廃棄物の減量と再生資源の十分な利用等を通じて廃棄物の適
    正な処理と資源の有効な利用を図り、循環型社会を実現していくため、使用済み廃家電製品の製造業者及び小売業者
    に新たに義務を課すことを基本とする新しい再商品化の仕組み」を定めた法律として、1998年(平成10年)6月に
    制定されました。
   ●小売業者による引取り及び製造業者等によるリサイクルを義務付けています。
   ●対象機器・・・家電製品のうち次の家電4品目を法律の規制の対象としています。
    *家庭用エアコン *テレビ(ブラウン管式、液晶・プラズマ式) *電気冷蔵庫・電気冷凍庫  *電気洗濯機
 
      
■民 法 そ の 他 関 連 法 令・制 度
 
 1. 民 法
  民法は、一般的な私法関係に適用される法の通則であり、「総則」「物権」「債権」「親族」「相続」の5編で構成され
  ています。
   ●契約については第3編「債権」に規定しています。
   ●新築・増改築工事の請負契約は、仕事を完成させることが契約の中心であり、これが請負人の契約上の義務となりま
    す。
    ◆新築・増改築の請負契約・・・注文者→→工事の依頼→→代金の支払い義務
                ・・・請負人→→工事の請負→→工事の完成義務
   ●請負契約は、当事者間の負担も大きくなりがちなので、問題となるようなことは、あらかじめ契約書で明らかにする
    よう、当事者に義務付けられています(建設業法第9条)。また、請負人の瑕疵担保責任は、特約で排除しうると解さ
    れています(民法640条反対解釈)が、当事者の一方のみが消費者である場合、消費者契約法の適用があり、全部免
    責は認められません(消費者契約法参照)。
 
 2. 不動産登記法
  目的:「国民の権利の保全を図り、取引の安全と円滑化を図ることを目的として、不動産登記に関する制度」定めた法
    律です。
     2004年(平成16年)に旧不動産登記法が全面改正された際に「オンライン申請」、登記識別情報制度」び「司
    法書士等の資格代理人による本人確認情報制度」が導入され、2005年(平成17年)の改正では「定制度」が
    新設されています。
   ●建物の表示に関する登記
    ◆建物を新築した時は、必ず表示登記をしなければならず、新築、改築、増築などをしたときは、表示の変更登記
    行うことになります。
    ◆建物の新築により表示の登記を申請するときは、建築基準法による建築確認通知書及び工事施工者の建物引渡証明
    書を提出すること。
   ●建物の表示の変更登記の内容建物の所在の変更・・床面積の増加により他の土地にまたがるように増築された場合
    ◆種類の変更・・不動産登記規則第113条に定められた種類(住宅、店舗など)変更が生じた場合
    ◆構造の変更・・不動産登記規則第114条に定められた構造(木造瓦葺2階建等)の変更が生じた場合
    ◆床面積の変更・増築又は同時になされた一部取壊しと増築により床面積の変更(増減)が生じた場合
 
 3. 消費者契約法
  目的:「契約・販売方法に関するトラブルの増加と、それに十分対応しきれていない現行法制度の現状に着目し、契約を
    締結する際に消費者への適切な情報の不足等から発生するトラブルを防止し消費者と事業者の双方が自己責任に基づ
    いて行動できる共通のルール」として制定された法律です。
   ●消費者契約法では、消費者と事業者の間で締結される契約が対象とされており、住宅の新築・リフォームに関する設
    計・工事等の請負契約も、この法律を受けることになります。(第2条)
   ●消費者保護の観点から、事業者が契約締結の勧誘の際に次のような行為をとった場合に、契約の取り消し権を消費者
    に与えています。
    ◆事業者が消費者に「誤認」を与えるような説明で勧誘した場合
    ◆事業者が消費者に「困惑」をさせるような行為をとった場合
   ●事業者の損害賠償責任を免除する条項の無効等(第8条、第9条、第10条)
 
 4. 特定商取引法
  目的:正式名称を「特定商取引に関する法律」といい、訪問販売等に係る商取引の適正化及び消費者利益の保護を図るた
    め、1976年(昭和51年)6月に訪問販売等に関する法律として成立した。この法律は、訪問販売の形式で勧誘し、住
    宅リフォーム工事の申込みを受け又は契約を結ぶ場合に適用されます。
   ●訪問販売等に係る商取引の適正化・消費者の利益の保護について規定しています。
   ●訪問販売など消費者ロラブルを生じやすい特定の取引類型を規定(6類型)
   ●不当な勧誘行為の禁止等の事業者に対する規制と、クーリング・オフなどの民事ルールを規定しています。
   ●近年の法改正により、悪質リフォーム訪問販売に対する規制を一層強化されています。
 
 5. 消費生活用製品安全法
  目的:「消費生活用製品による一般消費者の生命又は身体に対する気概の発生の防止を図るため、特定製品の製造、輸入
    及び販売を規制するとともに、消費生活用製品の安全性の確保につき民間事業者の自主的な活動を促進し、一般消費
    者の利益を保護することを目的」として、1973年(昭和48年)に制定された法律です。
   ●PSCマーク制度・・・消費者の生命・身体に対して特に危害を及ぼすおそれが多い製品(規制対象品目)は、国の
    定めた基準に適合したことを示す「PSCマーク」がないと販売できません。
   ●重大事故情報報告・公表制度・・・消費生活用の製造事業所は、重大製品事故が生じたこと知った場合、当該製品の
    名称、事故の内容等を主務大臣への報告が義務付けられています。
   ●長期使用製品安全点検・表示制度・・・この制度は、「特定保守製品」の製造事業者等に対して、製品所有者に対し
    て、製品所有者に点検等の保守に関する情報提供を義務つけるとともに、販売事業者、不動産販売事業者、建築請負
    事者等に対して、製品の所有者となる取得者に点検等の保守や所有者情報の提供などの必要性を説明することを義務
    付けるものです。
    ◆「特定保守製品」は、下記製品となっています。
     *屋内式ガス瞬間湯沸器   *屋内式ガス風呂がま    *石油給湯器    *石油風呂がま 
     *密閉燃焼式石油温風暖房器 *ビルトイン式電気食器洗機 *浴室用電気乾燥機
<<一般社団法人大阪府建設産業協会>> 〒556-0015 大阪府大阪市浪速区敷津西2丁目11-4 TEL:06-6633-6274 FAX:06-6633-7219